「片づけたい。」私がいつも思っていることがタイトルになっている本

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本屋さんをふ~らふ~ら。
「片づけたい。」
私の脳内言語がついぽろっと出してしまったかと思ったら、本のタイトルでした。とても気が合う本だなと思って即買いしました。なんとセンスの良いタイトルなのでしょう。タイトルだけで共感の嵐です。

さらに、帯には「どうしても整理できないモノ、思い出、人間関係……」という文。またしても共感の嵐です。

そんなファーストコンタクトを果たしたこの本はとても面白かったです。片づけ本として唯一無二でした。皆さんの片づけたいこと、片づけをまじめに考えている人たちについて、片づけへのマインド、片づけへの意識など、なにもかも片づけにつながっているな、と思わされるとてもいい短編が集められていました。読み応え抜群、片づけたい気持ち倍増な1冊でした。

しかし、この本、読み終わるまでにひと悶着あったのです。

この本を購入した日から、わたしの本棚に片づけたいという本のタイトルが神々しく輝き始めました。我が家の本棚は、保管する用と絶賛読書中用の2つにわけています。もちろんこの本は絶賛読書中棚に並べました。新しい本を買って本棚に並べるとき私はいつもとても満たされます。毎度の事、満たされていた私ですが束の間の幸せだったのです。

絶賛読書中本棚は、いつでも手に取りやすく目につきやすい、リビングの一等地にあります。

これが誤算でした。

「片づけたい」この言葉に、私は共感しすぎたのです。

厄介なことにきがついたのは本棚に並べた次の日でした。

この本のタイトル「片づけたい」は私が常日頃(しかも長い期間)、心で思い、心の片隅に隠してきた言葉でした。つまり、その衝動を抑え込むために蓋をしていたのです。なぜかと問われると、皆さんの予想通りそれは面倒くさいからです。そうなのです。片づけたい、という気持ちと、面倒くさいという気持ちは、同時に発生する感情なのです。

この「かたづけたい」という言葉、いつも蓋をしていた感情だったのです。みなさんにもあるでしょうか?「片づけたい」と思っているときって、たいてい片付けが後回しになっていたり面倒だったりする時ではないですか?そうです、私の場合、いつも蓋をして後回しにして、聞こえないふりしていた感情が、タイトルを見かけるたびに引っ張り出される結果となったのです。

本屋さんではセンスのいいタイトルだと興奮しました。その場ですぐに片づけを始められない状況だったからです。第三者目線でみんなの片づけにまつわるエピソードをよんでケラケラ笑い、なんだエントロピーの事まで書いてあるではないか。これは興味深いぞと研究心までくすぐられたりしたのです。

本を開けば、片づけのノウハウ本でも片づけをしましょうと促すような内容でもないのです。とにかく片づけにまつわる短編が集められていて、読むだけでセンスが磨かれるような本なのです。なるほど、これも片づけにまつわるお話だなと気づかされるのです。

しかし、このタイトル。
今日はチートデイだ!だら~っとポテチでも食べるか。そんな時に目に入るのです。
トイレ掃除を毎日する!今日はやり忘れているな今日ぐらい…。そんな時に目にはいるのです。
お出かけから帰って、家の事は明日しよう。そんな時に目にはいるのです。
支払い通知が来ている。期限は2週間後までか。そんな時に目に入るのです。

目に入ってしまった時、この本を読むという逃げ道がありました。読みだすと本のタイトルのようにいつも片づけたい片づけたいと思っている主人公の話ではないので、片づけたい気持ちを忘れてケラケラと笑えるのです。そしてしばらく読むと本を閉じてこの本を本棚に片づけたい気持ちになっています。そしてタイトルを見ながら、本棚に片づけるのでとっても満たされます。そのころには本を読み始める前に思った片づけたいことなど忘れて、今日も片づけたと勘違いして1日が終わるのでした。

しかしまた誤算。私は意外にも面倒くさいと思っていることが多いようで、決して気が付いていたわけではありません、そんな気がした日もありましたけど、まさかと思っていましたが、面倒くさいが多いようでした。そう、この本、異例の速さで読み終わってしまったのです。自己新記録更新です。

逃げ道がなくなりました。もう一度読めばと思い読んでみましたが、なんせ異例の速さで読んでしまったので内容をはっきりと覚えているのです。もちろんもう一度読んでも面白いのですが、あまりにはっきりと覚えてい過ぎて邪念がわきました。片づけたいというタイトルの本だったということが読んでる最中に思い出されるのです。

あきらめて本を閉じてタイトルをもう一度みました。ここでひらめき。
ああ!この本を保存用の本棚に片づけていないからすっきりしないのだ。そうか!いい考えだと保存用本棚にルンルンで向かいました。

すると、ないのです。本を直す隙間が。もう一度絶賛読書中の本棚に戻しわたしはさけびました。

わかりました!やります!やればいいんでしょ!明日から片づけますとも!

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Nami
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すてきに暮らす人を増やしたい。そんな人で溢れかえった世界は、楽しそうで活気がある。自分の部屋のお気に入りについての話や今日の行動はこんなふうにデザインしたんだという話が至る所から聞こえてくる。そんな世界を実現したい。

元建築デザイナー/大学・大学院で造形学を学ぶ/art好き/なんでもdesignするのが癖/本好き/建築好き/空間デザインしたい/個展やりたい/本を出版したい/本屋さんやりたい/戸建てを建てたい/広島県在住
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