お片づけ体系
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瀬戸内暮らし
私が「作品」をめざす尊さを学ぶことができたのは、ル・コルビュジェの建築をめざしてを読んだのがきっかけだった。学生時代、建築設計の課題で常に何かをめざして作品をつくっていた。あのころ、正解はない、確実なイメージもない、しかし確かに自分の中に信じる何かに向かって作品をつくっていたのだ。その疑問は常につきまとっていたが、拭うことなくただひたすらに作品をつくる私と並走していた。そんな時、ル・コルビュジェの建築をめざしてを読んで気づいた。建築界の三大巨匠と呼ばれるル・コルビュジェですら、建築をめざして設計していたのか。そうか、私の中にもめざすべき感覚があって完成品からその感覚を感じられるようになることをめざして制作していたのだなと理解できた。